歯科用のレーザーにはいくつかの種類があります。レーザーのタイプと臨床応用については、次をご参考下さい。
歯科で使用される主な高出力レーザー(ハードレーザー) 国内外学術文献による。
 
レーザーのタイプ
波長(nm :ナノメートル)
レーザー励起物質と励起方式
吸収されやすい組織
臨床応用例
 半導体(ダイオード)
980,810など

アルミニウム・ガリウム・ヒ素などを成分とする半導体に電圧と電流を与えて励起させる。瞬間的なピーク出力が均一である。

メラニン、ヘモグロビンなど。

 

軟組織の切開、ぺリオ、エンド、感染防止
 Er:YAG(エルビウムヤグ)
 2、940

イットリウム・アルミナ・ガーネット固体結晶にEr(エルビウム)をドープ。フラッシュランプ光を照射し、励起させ、増幅させる。瞬間的なピーク出力の制御とピーク発生時間の制御により今後発展が期待される。

水とハイドロキシアパタイト。 硬組織蒸散、軟組織切開、ペリオ、エンド、感染防止
 CO2(炭酸ガス)
10、600
炭酸ガス、窒素、ヘリウムなどの混合ガスから励起される。 水。 軟組織切開、感染防止
  Nd:YAG(エヌディーヤグ)
 1、064
イットリウム・アルミナ・ガーネット固体結晶にNd(ネオディウム)をドープ。フラッシュランプ光を照射し、励起させ、増幅させる。 メラニン、ヘモグロビンにわずかに吸収される。 軟組織切開と血液凝固、感染防止
レーザーのパラメーターの説明
 
 波長 (nm)
レーザー光は空間を周期的波長で伝わる。通常は単一の一定波長をもつ。可視光は400-700nmに限られ、上記歯科用レーザー光は目に見えない。そのため、ガイド光を併用して治療光を照射部位に誘導している。
 出力 (W)
エネルギーの照射速度。1Wは1J(ジュール)の熱量を一秒間に照射する。
 パルスエネルギー(J)
パルス照射の場合には、J(ジュール)が出力の目安とされる。
 パルスデュレーション(時間)
パルス照射の際にレーザーが実際に照射されている時間。
 ピークパワー(W)
フラッシュランプ励起のレーザーでは測定することが困難なこともある。定義は、ピークパワー(W)=パルスエネルギー(J)/パルスデュレーション(時間)である。例えば、1Jで100μs照射した場合には、ピークパワーは10,000(W)となる。
 フルエンス(J/cm2)
フルエンス(照射エネルギー密度;J/cm2)=エネルギー(J)/照射面積(cm2)
 スポットサイズ(mm)
レーザーの照射される領域の直径(mm)
 繰り返し数(Hz)
パルス照射の際、1秒間に照射されるパルス数
 吸収係数
ある物質に、照射されるある波長のレーザーはどれくらいその物質内に吸収されるかを示す。吸収係数=吸収されたエネルギー/レーザーエネルギー、でありレーザーの波長に大きく依存する。

 


レーザー励起方式の違いにより、パルス出力瞬間エネルギーは大きく違います。


半導体レーザー(半導体から励起されるために、半導体レーザーと呼ばれる)は810nm,980nmなどの波長で、近年高出力化が可能となった。Nd;YAG半導体励起のレーザーダイオードもある。下の図は810と980nmの生体組織への吸収特性を示す。980nmの方が水に吸収されやすい。